第60回春季日本歯周病学会学術大会に参加しました

Vol.22

皆さま、こんばんは。さとう歯科クリニックの佐藤公麿です。  

 

今日は、福岡市内で開催された【第60回春季日本歯周病学会学術大会】に参加してきました。

非常に興味深い講演やシンポジウムが多数あり、非常に勉強になり、また刺激を頂きました。

 

 

勉強になったことを書き出すとキリがありませんが、その中でも、日本歯周病学会の認定歯科衛生士として活躍されている3名の歯科衛生士さんのシンポジウムが素晴らしく、また座長である長谷川嘉昭先生からのメッセージがとても印象に残ったので自分なりにまとめさせていただきます。

 

テーマは『考える歯科衛生士』

 

歯周病の治療と予防を成功させるために、治療とメンテナスを担当する歯科衛生士さんの役割が重要であることは間違いありません。

 

さらには、歯科衛生士さんや歯科助手さんをはじめ、歯科医院の総合力が高いことも非常に重要です。そのためには、以下のようなことが必要になります。

・規格性を持った精度の高い歯周病の検査(10-14枚のデンタルエックス線写真、願貌写真、口腔内写真、歯周組織検査など)を行えること

・患者さまとの十分なコミュニケーションを通じて治療に必要な様々な情報(主訴、既往歴、現病歴、生活背景、思考、習慣、治療歴、治療に対する希望、健康に対する意識など)を伺えること

・医院内で、歯科医師、歯科衛生士がそれぞれの患者さまの診断や治療計画について一緒に考える環境があること(症例検討会の実施など)

・それぞれの専門職が研鑽を積むこと。①知識の集積、②技術の研鑽、③観察力・洞察力の向上

 

 

また、『歯科衛生診断』の重要性について長谷川先生が強調されていました。

 

 

患者さまと一番多くコミュニケーションをとる担当歯科衛生士さんが、患者さまの様々な情報と検査結果をもとに仮想診断を行い、その上で歯科医師とともに治療計画の立案を協同することが、より良い医療実現のためには重要とのことでした。

 

 

余談ですが・・・【歯科衛生ケアプロセス】という考え方があり、看護過程をベースにアメリカで理論構築された概念で、歯科衛生士教育・臨床の基盤となっています(日衛学誌,JJSDH,2007.より)。この歯科衛生ケアプロセスは、①アセスメント、②歯科衛生診断、③計画立案、④実施(介入)、⑤評価、⑥書面化、の6つの構成要素からなります。

長谷川先生がおっしゃっていたことは、このプロセスを歯科医師と歯科衛生士がそれぞれの知識・技術・情報などを持ち寄って行うことが大切(歯科医師主導ではなく、チーム医療の実践。医院の皆で力を合わせて患者さまの治療にあたりましょう)ということだと解釈しました。

 

 

お口の健康を守り、人生を健康で豊かに。

 

さとう歯科クリニックでは、スタッフ全員で良いチーム医療が提供できるよう、院内環境を整え、研鑽を積んで参りたいと思います。

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