歯周組織再生療法_自家骨移植術

  • 歯周病治療

Vol.66 みなさま、こんばんは。岡山市南区妹尾のさとう歯科クリニック院長の佐藤公麿です。

 

昨日は、診療後に月に一度の院内研修会を歯科医師7名で集まり行いました。最初に、ダイレクトボンディングを実際の患者さんにご協力頂き、私が治療するところを参加者みんなに説明しながら行いました。

最近では、マイクロスコープを用いて治療をすることによって、モニターで治療の手技をライブ感覚で細かく見ることができ、後で見直すこともできるため、学ぶ環境としては非常に良くなっていると感じます。

 

また、患者さまにも、治療後に動画で説明させていただくことも増えていますが、

『初めて見ました!治療中の動画を見ると何をやっているのかよく分かりますね。』

と驚きの声やお喜びのお声をいただくことが多いです。

 

 

当院では、すでに歯を失ってしまった部位やどのような治療をしても保存が困難な場合に、インプラント治療で機能回復を行うことがあります。

しかし、患者さまが歯を保存することをご希望いただいた場合には、できる限りの知識と技術と材料などを総動員して、全力で歯を保存することを信条として臨床にあたっています。

 

仮に、ご自身の人差し指が化膿してボロボロになって、切断しないといけないかもしれない・・・という状況になった場合を想像してみてください。

「今は非常に良い義手があって、10年生存率は95%を超えています。メインテナンスは必要ですが、本物の指のように使えますよ。」

と仮に説明を受けたとしても、少しでも自分の指を保存できる可能性が残っているのであれば、保存を希望される方が多いのではないでしょうか?

永久歯は、親知らずを含めると32本ありますが、1本1本に役割があり、その1本1本がとても大切な臓器の一つです。

そのように考えておりますので、できる限り歯の状態を改善して、保存に努めたいと考えています。

 

世界的に歯周組織再生療法で有名なDr Cortelliniの言葉があります。

 

歯を「置き換える」のではなく、「保存する」こと

 

 

前置きが長くなってしまいましたが、本日の症例です。

左上奥歯に自家骨移植術を用いた歯周組織再生療法を行った60歳代女性の患者さまです。

 

 

デンタルX線写真検査では、左上第一大臼歯には頬側に3度の根分岐部病変が、第二大臼歯近心には、垂直性骨欠損を認めました。

歯周基本治療を行った上で、左上第一大臼歯の頬側根のトライセクションと第二大臼歯への自家骨移植術を用いた歯周組織再生療法を計画し、施術致しました。

歯周組織再生療法を行った後、約半年間経過観察を行い、歯周組織の改善を確認して口腔機能回復治療を行い、メインテナンスに移行しました。

現在、術後4年以上が経過していますが、患者さまの良好な口腔衛生(ブラッシングや歯間ブラシ)に大いに助けて頂き、安定した状態を維持することができています。

今後も、注意深くメインテナンスを通じて経過観察を行なっていきたいと思います。

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【担当医】

佐藤公麿

【治療期間】

約1年6ヶ月間

【治療内容】

歯周基本治療後に、左上第一大臼歯に頬側根のトライセクションを、第二大臼歯部に自家骨移植を用いた歯周組織再生療法を行いました。歯周状態の改善後にオールセラミッククラウンにて口腔機能回復治療を行いました。

【費用】

本症例の歯周組織再生療法は、保険治療の範囲内で行いました。

自由診療にて行う場合は、歯周組織再生療法:1手術 110,000円(税込)

オールセラミッククラウン:1本 88,000円〜154,000円(税込)

【リスク・副作用】

・手術後の出血、腫脹など、外科処置に伴う合併症のリスクがあります。

・歯周組織再生療法による治り方には個人差があります。

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(臨床写真の掲載については、患者さまに掲出の同意を得ております。)

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