認知症予防に貢献する歯科医療

Vol.14

皆さま、こんにちは。岡山市南区妹尾さとう歯科クリニックの佐藤公麿です。

 

以前、平均寿命と健康寿命の差が、男性で約9年、女性で約12年と推計されていることを書かせていただきました。これは、人生の最期の約10年間が何かしらに病気に罹っていたり、介護が必要な状態になっているということです。

 

今回のテーマである認知症は、要介護となる原因の第2位で(第1位は脳血管疾患)、2025年には65歳以上の 約700万人が認知症になると予測されており、認知症の予防や早期発見が重要な課題となっています。

 

 

近年、認知症予防に歯科医療が貢献できる可能性が明らかになってきています。

 

健康な65歳以上の4,425名を対象として、歯の本数と入れ歯の使用状況を調査し、認知症を伴う要介護認定を4年間追跡調査した研究があります(Yamamoto T. et al, Psychosom Med, 2012.)。

この研究では、以下のことが示されています。

①年齢、所得や生活習慣などの影響を排除(調整)しても、歯がほとんどなく、入れ歯未使用の方は、20歯以上の方と比較して、1.85倍も認知症発症リスクが高い

②しかし、歯がほとんどなくても入れ歯を使用することで、認知症の発症リスクを抑えられる可能性がある(約40%の抑制と試算)。

 

 

ちなみに、歯の喪失や入れ歯未使用がどのように認知症発症につながるかという予想メカニズムについても書かれています。

『歯の喪失によって咀囑能力が低下し、咀噌による脳(特に認知 領域)への刺激が少なくなり、認知症になる可能性がある。また、咀嚼能力の低下により、噛みづらい生野菜等を避け、ビタミン等の栄養が不足することで認知症発症リスクを高める可能性もある。』

 

 

歯周病は歯の主な喪失原因であり、慢性炎症が長期間続く病気です。歯茎の炎症から様々な物質が血液を介して全身の臓器に影響し、脳にも影響していることが考えられています。

 

認知症を予防して健康寿命を延ばすためにも、さらに歯を残す努力、すなわち歯周病やう蝕の予防が大切です。また、不幸にして歯を失っても、入れ歯やインプラント等で噛み合わせを回復することで、認知症予防、ひいては健康寿命を延ばすことに貢献できる可能性があります。

 

 

お口の健康を守り、人生を健康で豊かに。

 

さとう歯科クリニックでは、認知症発症予防に貢献する歯科医療を行っていきます。

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