Vol.80 みなさま、こんばんは。岡山市南区妹尾のさとう歯科クリニック院長の佐藤公麿です。
本日は、低侵襲な歯周組織再生療法(MIST)を用いた治療の症例をご紹介します。
患者様は42歳の女性で、「歯茎から血が出やすい」というお悩みで来院されました。
初診時に行った検査で、進行した歯周病に罹患しており、特に下顎の歯周ポケットが深く、歯槽骨の吸収がみられました。
この症例で選択した治療法は、MIST(Minimally Invasive Surgical Technique)です。
MISTは、従来の歯周組織再生療法に比べて切開や剥離を最小限に抑えることができるため、患者様の負担を軽減しつつ、歯周組織の再生を促すことが可能です。
治療方針は以下の通りです。
- 患者さま御自身のプラークコントロールを改善し、歯周ポケット内の炎症を取り除くための丁寧なクリーニングを行います。
- MISTを用いて、必要最小限の切開を行い、歯周組織の再生を促します。
- 患者様自身の口腔衛生習慣の改善を促し、定期的なメインテナンスによって再発防止に努めます。
治療計画にご協力いただき、MISTによる歯周組織再生療法を無事に行うことができました。
本方法は、従来の方法に比べて歯茎を切開する範囲も非常に小さく、治療時間も短いため、術後のお痛みや腫れもほとんどなく、痛み止めも飲まなくて大丈夫だったとのことで、患者様からお喜びの声をいただくことができました。
治療後、歯周ポケットが3mm以下で出血しなくなったことを確認してから被せ物を装着し、メインテナンスに移行しました。同部は、歯肉の腫れが大幅に減少し、歯周ポケットの深さも顕著に改善されました。
今後も、注意深くメインテナンスを行うことで、患者様の健康で豊かな人生のお役に立てたら嬉しく思います。
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【担当医】
佐藤公麿
【治療期間】
約1年間
MISTによる歯周組織再生療法の手術時間は約60分
【治療内容】
歯周基本治療後に、左下第一小臼歯に対してMISTによる歯周組織再生療法を行いました。
現在は、定期的なメインテナンスに通っていただいています。
【費用】
自由診療にて行う場合は、歯周組織再生療法:1手術 110,000円(税込)
【リスク・副作用】
・手術後の出血、腫脹など、外科処置に伴う合併症のリスクがあります。
・歯周組織再生療法による治り方には個人差があります。
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(臨床写真の掲載については、患者さまに掲出の同意を得ております。)