歯周治療の第一歩【歯周基本治療の効果】

Vol.81

皆さま、こんばんは。岡山市南区妹尾のさとう歯科クリニックの佐藤公麿です。

今日は、歯周病治療を行う上で非常に重要な歯周基本治療にスポットを当て、実際の症例を交えてその重要性と効果についてお話しさせて頂きます。

当院では、歯周病の進行を防ぎ、健康な歯を維持するために、受診された皆さまに歯周基本治療を受けて頂くことを推奨しています。

今回ご紹介するのは、60歳の女性患者さまの症例です。患者さまは、「最近、歯がグラグラする」と感じ、心配して当院に来院されました。検査の結果、進行した歯周病であることが判明しました。特に歯周ポケットが深い部位では8 – 9 mmを認め、歯を支える骨（歯槽骨）に大きな吸収が見られました。

歯周基本治療は、歯周病の治療と管理の最初の一歩です。この治療では、歯周病が進行した原因を取り除き、患者さまの口腔内環境を徹底的に改善することを目指します。具体的には、専門的なクリーニングでプラークと歯石を除去し、患者様自身の口腔衛生習慣の改善を支援します。また、必要に応じて、生活習慣のアドバイスも行います。

この患者さまに対しても、歯周基本治療を中心に治療計画を立てました。治療には、プラークコントロールの徹底、専門的なクリーニング（歯石及びバイオフィルムの除去）を中心に行いました。

治療開始後、数ヶ月で驚くべき変化が見られました。歯周ポケットの深さが顕著に減少し、歯茎の健康も改善。特に、患者さまには「以前よりも歯がしっかりしている感じがする」と喜んで頂きました。

この改善は、歯周基本治療による口腔環境の正常化が、歯周病の進行を効果的に抑え、歯を支える組織の健康を取り戻すことができたからです。

実際のX線写真でも、歯槽骨が回復し、それに伴い左上の前歯では歯と歯の隙間が閉じてきていることがわかります（同部への治療は歯周基本治療のみで、現在はSPTを行なっています）。